天然王子
 

もうとっくに委員会は終わってる時間…

なのにいつも委員会をやってる教室に向かうのは

少し期待してたから
もしかしたら王子がいるかもって

そしたら…
なんでいるの?


「広瀬くん?」

「あ、ハル…」


真っ暗な教室に1人だけ


「なんで…」

「ハル…来ないから待ってた」


私の大好きな王子様


「…どーしたの?」

「…………」


何も言わない私の顔を王子が覗き込む

気付いたら目から涙が出てきてた

あぁ…きっと私泣けちゃうくらい王子のことが好きなんだなって、思った。


「……ハル?」


言わなきゃ

フラレるのなんか大前提で

でも、それでも溢れてくる想いは止められなくて


「私…広瀬くんが好き」


自然と出てきた言葉

前みたいにもう誤魔化したりしない

本当に本当の告白


「…………ごめん」


その後の言葉なんて私には理解が出来なくて

ただ泣いてうなずくことしかできなかった


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