天然王子
 

「おら、プリント配っとけ」


ぶっきらぼうに担任が言い

バサッと音を立てて私の手の上に紙の束がのる。


「なにそれ人に物を頼む態度ーっ!?」

「この間、1日中授業サボってたのは、どこのどいつだ?」


職員室だっていうのに大声で叫ぶ私と、気を使って小声で話す先生。


「う…それとこれとは…っ」

「いつの間にかお前、随分と偉くなったみたいだな?あ?」


カタカタとキーボードを叩ながら先生が私を睨みつけた。

私には悪い所しかない。
完敗…です。


「てか、ずっと気になってたんだけど…さっきから先生の薬指でキラキラ光ってるソレは…」


キーボードの上にのった先生の左手の薬指には、指輪が…


「あぁ、これか」

「もしかして、結婚指輪!?」


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