幼馴染み~初恋物語~
「違ってごめんな…………」

櫻に傘をかけていたのは、塾の帰り道で偶然通りがかったの健一だった。

「あっ…………健一先輩…………」

「まだ和樹君は来てないの?」

「はぃ…………」

消え入りそうな声で呟いた櫻は、そのまま俯いてしまう。

来るわけないか…………

彼女がいるのに、告白なんておかしいもん…………

涙が目にたまって来た櫻の頭を、優しく撫でてくれた健一。

「もう帰ろ…………?」

涙を堪えたまま小さく首を横に振る櫻は、何も答えない。

帰ったら初恋は終わりだという意地だけが、寒い雨の中でもこうして立たせていた。

「俺が塾の帰りに通らなかったら、いつまでも雨に打たれて待ってるつもりなんだろ?」

櫻は無言のまま小さく頷いた。


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