幼馴染み~初恋物語~
まもなく列車が入ってきます。
ご乗車の方は白線の内側でお待ちください。

少しでも長く一緒にいたい二人の耳に、ホームでのアナウンスが聞こえてきた。

「これに乗るから…………」

和樹がそう告げると、櫻は和樹の胸に飛び込んだ。

「いってらっしゃいっ!!頑張ってねっ!!」

「うんっ!!頑張るよ」

「最後にお願いしてもいい?」

櫻は涙で顔がぐしゃぐしゃ。

和樹の船出を祝うために泣かないつもりだったのに、やっぱり我慢できなかった櫻。

そんな顔で和樹をしっかりと見つめた。

「もう1回好きって聞きたい…………」

和樹もしっかりと櫻を見つめて言った。

「好きだよ…………」

「私も大好き…………」

「寂しい時は、抱き締めて、チュッてしてほしいんだったっけ…………?」

「むぅ…………恥ずかしいなぁ………………………………そうだよ。」

和樹の顔が寄ってくると、櫻も目を閉じて背伸びをした。

駅のホームで二人の唇が重なり合う。

お互いに好きだという気持ちが、伝わるほど熱く思い出に残るキスだった。







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