君が居た頃。

湊魅 side






























購買で絆創膏を買おうとしていたら、
通りかかった看護士さんが
自分の鞄から絆創膏を取り出して
俺にくれた。

「いいんですか?」

「いいのよ、毎日お疲れさま。
季織ちゃんのお見舞いでしょ?」

「あ、はい……
え? なんで知ってるんですか?」

疑問に感じてそう訪ねると、
その看護士さんは
とても優しい笑顔で言った。

「季織ちゃんからよく
湊魅くんの話を聞いてるからね」

季織が俺の話を…………?

「早くよくなるといいね、
季織ちゃん」

「………はいっ」

少し複雑な気持ちで頷く。
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