白いジャージリターンズ~先生と私と空~

家に居場所がない。

学校に居場所がない。

どこにも居場所がない。


悲しいけど、本当にそういう子が多い。


さっきのあの子は、学校に居場所がある。

きっと。
だから、こんな朝早くに学校にいた。



自分が卒業して感じたことがある。

何も言わず、何の理由もなく、好きな時に学校に入ることができて
無条件に受け入れてもらえる。

それってものすごくありがたいことだったんだなって。

いつも通ってた高校なのに、卒業したら急に遠くに感じた。

制服を着ていないだけで、入るのに勇気がいった。

理由がないと入れない場所になった。

守られてた、そう感じた。


あの想いが今も心に残ってるから、俺は教師という仕事に向き合えてるんだろうと思う。

行きたくないなって思う朝もあったのに、もう行けないとなると無性に恋しくなった。


今朝会ったあの子が卒業するまで、ちゃんとあの子の居場所でありたい。

この場所が安心できる場所であってほしいと願う。


時代が変わったという人もいるし、昔から変わってないという人もいる。
昔は当たり前だったことが今では、間違っているということもある。

朝食を用意してもらえない子もいる。
弁当を作ってもらえない子もいる。
お金も渡されていない子もいる。

それを平気だって笑う子もいれば、隠す子もいる。


いつも、こうして悩んだ時、直に話を聞いてもらって気持ちを整理していた。

直って、実は教師にも向いていたんじゃないかと思う。

でも、親身になりすぎて、神経がすりへってしまうか。

誰のことも自分事のように考える子だから。

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