極甘上司に愛されてます


ショッキングピンクの文字を指さすと、理恵さんが目を細めてパソコン画面を覗く。

そして棒読み口調で、私のテスト結果を読み上げた。


「あなたの両立度は、仕事0、恋100……脳内お花畑のお気楽OL」


うう、口に出されると、これまた凹む。


「……あながち間違ってないわねこの心理テスト」


しかも理恵さんは感心したようにそう言う。

そんなぁ……とショックを受けつつ、でもここ最近そう思われても仕方のない仕事ぶりなんだから仕方ない。

最大の失敗は、そう……先週刷り上がってすでに配布済みの新聞の、私が書いたとある記事。

その記事を作っていた日の夜はお付き合いしている彼とのデートを予定していて、それに浮かれながらふわふわと作業をしていたら、私は大きなミスをやらかしてしまった。


「逆さま写真の件、例の先生は許してくれたの?」

「はい……“僕もまだまだだな”って笑ってました。内心はすごく怒ってるかもしれませんけど」

「編集長は?」

「“自分の確認ミスもあるから、そんなに気にするな”って……」


私は言いながら首を動かして、この部屋で一番散らかってる大きなデスクの方を見つめた。

編集長、今日はどこに行ってるんだろう。

いつもフラッとオフィスを離れては、情報収集と称して街中をうろうろしている。

背が高くてワイルドな風貌の彼がスーツを着ていると、ちょっとヤクザさんっぽく見えないこともなくて……そんな彼は、何度も警察官に職務質問されたことがあるんだとか。


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