俺様富豪と甘く危険な恋
栞南はもう蓮を思う気持ちを抑えきれなかった。


(私は朝日奈さんが好き……)


蓮の唇が重なる。優しく慈しむような唇の動きに栞南の心臓は切なくトクンと音をたてた。


唇をついばまれ、舌が口内に入り込み心を乱されるキスが続く。

栞南は孝太郎のキスでは感じなかった身体に気づく。

深いキスとムスクの香りで酔ったみたいに自分から唇を求め、ブラジャーに包まれた胸が張っていくのを感じている。

やがて蓮の唇は脈打つ喉元に移り、首筋や耳朶を舐っていく。

キスに夢中になっていると、背中のジッパーがまるでじらすように下げられていく。ゆっくりしすぎて栞南の口から無意識に不満の吐息が漏れる。


「バージンの癖に俺を誘っているのか?」

「えっ……? ど、どうしてそれをっ!? っあ……ン……」


蓮は笑みを浮かべながら、シャンパンゴールドのドレスワンピが肩からずり落ちる。蓮の手は平らな腹部をなぞり、胸をブラジャーの上から触れる。


「んっ……」


ブラジャーを下げ、ピンと張りつめた頂が軽く摘ままれた。身体に電流が走ったような感覚に、栞南の身体がビクンと揺れる。



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