俺様富豪と甘く危険な恋
「こんなに買うなんて……」

「まだリビングにある」

「いくらなんでも買いすぎです！　それじゃ……」


栞南は続きの言葉を飲み込む。


「お前を買ったみたいか？　言っただろう？　お前が愛おしいと」


不安げに揺れる瞳を見た蓮は栞南の額にキスを落とす。


（恥ずかしげもなく言ってのけることが出来るのは住んでいる国の差なの？　言われたこっちの方が恥ずかしくなるよ）


「顔が赤い。白い肌だからすぐにわかる」

「からかわないでください」

「ダニエルにはもう知られたから開き直るしかないな。リビングで待っている。恥ずかしがらずに来いよ」


楽しげに笑い蓮は栞南の部屋を出て行く。

ベッドの上に無造作に置かれたオフホワイトのワンピースの生地を撫でると触り心地がいい。とても上質な素材なのだろう。


「朝日奈さん、こういう服を着なれた女性とばかり付き合っていたんだろうな……」


今までの蓮の女性歴を知る由もないが、妬けてしまう。

< 113 / 369 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop