俺様富豪と甘く危険な恋
「栞南、ぼんやりしてどうした?」


寝室から出てきた蓮は突っ立っている栞南のこめかみに軽くキスを落とすとイスを引いた。


「食事にしよう」


テーブルにせいろがたくさん積み重なっている。今日のランチは飲茶だった。

席について食べ始めても先ほどの蓮とダニエルの会話が気になり手が止まる。


「――好きじゃない? 栞南?」

「え? あ……ごめんなさい。今なんて」

「箸が進まないようだから飲茶は好きじゃないのか?」

「ううん。そんなことないです。大好き」


手を伸ばして肉まんのようなおまんじゅうを皿に置く。


「たくさん食べたら休めよ」

「はい……」


そう返事をした栞南だが、サングラスをどうにか探しに行けないものか考えていた。

でも探しに行きたいと言えば、さっきサングラスは忘れろと言われたから行かなくていいとなるに決まっている。

食事中、栞南はずっと悩んでいた。

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