俺様富豪と甘く危険な恋
(朝日奈さんを傷つけちゃった……?)


ふいに蓮の腕が栞南の後頭部に回り引き寄せる。蓮の鎖骨の辺りに栞南の頭が置かれた。


「すまない。思い出したくない出来事を思い出させてしまった」

「そうじゃないんです。無事だったんだから私なんとも思っていません。でも、やっぱりボディーガードたちの前でそういう事をするのは良くないと……」

「わかった。今度からふたりきりのときにたっぷりキスする」


少し茶目っ気を含んだ口調に栞南はホッとなる。


「今はふたりきりだよな?」

「えっ? あ、まあ……」

「なんだ。気乗りしない声だな」


ショックを受けたような蓮。


「ち、違いますって、私、なにを言ってるんだろ」

「そんなところが、本当にかわいい」


顎を上に持ち上げられ、蓮の唇が重なる。優しく落ちてきた唇はすぐに栞南の唇を開かせ、舌で口腔内を蹂躙していく。

そこへドアがノックされる。

ノックの音に気づいた栞南は、ベッドに寝かされている状態の自分に慌てたが、蓮のキス攻めはまだ続いていた。

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