俺様富豪と甘く危険な恋
「いい? あなたが彼女と別れるのなら、私が彼女を頂いちゃうわよ」

「お前、なにを言ってるんだ!?」

「だって、私好みの子だったから。彼女にも選択させてあげなさいよ。ホント、男って自分勝手なんだから。だから私は女の子が好きなのよ」


ソフィアは考え込むような蓮を残し、急ぎ足で部屋を出て栞南を追った。


「ミズノさんがそっち方面に行くとは思いませんが、ミズ・ソフィアは強引ですからどうなるか読めませんね」


ダニエルが追い打ちをかけるように蓮に言う。

ダニエルが言うそっち方面とはレズビアンの世界のことだ。ソフィアはレズビアンだ。

以前、蓮にダイヤモンド5カラットのダイヤモンドをオーダーしたのも女性の恋人に贈るものだった。現在もその彼女とうまくいっているようだが、栞南の守ってあげたくなる雰囲気は男のようにさっぱりしているソフィアのツボかもしれない。


「くそっ!」


蓮は苦々しげに吐くと、ソファから立ち上がった。



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