俺様富豪と甘く危険な恋
「そんな簡単に言わないでくださいっ!」


これからどうすればいいのか、栞南の頭はパニックに陥り始めていた。


「星野彩のような悪女を友人に持ったのが運の尽きだ」

「酷いことばかりっ! 少しは何とかしようと思ってもいいのに!」


とうとう栞南の目から大粒の涙がポロポロ零れはじめる。


「ひっ……ひど……ぃっ……リッツのバーの時も……監視してたんでしょう」


もっと強く責めたいのに栞南の出てくる言葉は弱い。


「ああ」

「……だったら、何も預かるなって言ってくれても良かったのに……」

「あの時はまだお前が奴らの仲間じゃないと確信できなかった。下手に言って計画が奴らにバレたら水の泡だからな」

「ほらっ! 自分のことばかり! これに人の命以上の価値があるなんて思えないっ」


シレっとしている蓮に憤って栞南のイライラはMAXだ。衝動的にテーブルの上のブルーダイヤを掴んで投げようとした。





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