俺様富豪と甘く危険な恋
それから少し走ったＢＭＷはビルの中へ入っていく。蓮が車を停めたそこは地下駐車場のようだ。

エンジンを切った蓮は栞南に「出ろ」と言うと車の外に出る。

そこにホテルで別れたダニエルと、数人のボディーガードがいた。


（ここが朝日奈さんの住まい？）


おそるおそる車の外に出た栞南は不安げに蓮を見上げるが、すぐに隣に駐車してある艶やかな黒のポルシェの運転席に乗り込んだ。

いかにもスピードが出そうな車だ。


「ミズノさん、こちらです」


ダニエルはポルシェの助手席のドアを開けて栞南を待っている。


「あ、はいっ」


栞南がダニエルに頭を下げ助手席に乗りこむと、ポルシェは唸るようなエンジン音を轟かせて、地上へ向かった。


「目的地はあそこじゃないんですか？」


今度は横を向けば蓮の顔が見える。

流線型の超高級スポーツカーは地下駐車場を出ると、幹線道路に合流しスピードを上げて走る。

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