俺様富豪と甘く危険な恋
ダニエルが冷たいヴィシソワーズのスープを運んできて、去っていく。


「こっちを食べろ」


蓮が経った今切ったステーキ肉の皿を栞南に差し出す。反射的に受け取ってしまうと、栞南の前の皿が退かされる。


「冷めるとまずくなる。早く食べろ。酒はそれからだ」


お酒を飲んで気持ち悪くなるのは困る。何も考えないで眠りたいのだ。

お酒を飲んで吐いた経験は過去2回ほど。2回とも空きっ腹で飲んだせいだ。あの時はツラかった。

食事の世話など人にやってもらうのが当たり前のオトコが自分の為に切ってくれたのだ。

優しい口調ではないが、気遣ってくれている気持ちが伝わってくる。栞南の思い過ごしかもしれないが。


「……いただきます」


栞南はフォークを持って一口大に切られたステーキ肉を口へ運んだ。さすがセレブ。ここで食べる料理はすべて最高級の食材を使っているようで、肉は口に入れると蕩けていく。

特に蓮がいる時の食事は贅沢だった。ステーキ肉を切り終えた蓮も食べ始めている。


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