マルボロ・ヒーロー
ほう、と何人かが感心したようにため息を漏らした。


「でも、子どもを人質にするのはちょっと…」

「ショックが強すぎるかもね」

「保護者にしたら?」


意見が交わされる中、部長は俯いて何か考え込んでいる。



「……よし、それでいこう」



やがて顔を上げた部長は静かに言った。


「本番での動きも合わせて変えます。出演者はよく聞いて」

「はい」


部長の指示を聞き漏らさないよう、俺は真剣にノートにペンを走らせた。
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