アイスクリームの美味しい食し方
「チカ。
ベタベタしてくれるのは
嬉しいんですが、
もう夕飯作らなきゃ。
そろそろ降りてくれませんか?」

あれから、どこ行くのにも
私は新にへばりついていた。

ソファに座り直したから、
向かい合わせになるよう
膝の上に座ったら、
新にそう言われた。

「やだー。」

私は新に抱きつき、
鎖骨に顎を乗せた。


「あー、可愛いなー。
俺、チカに甘えられると
たまらなく嬉しいんですよね。」

新は猫を抱くように、
私を抱きながら、
ひょいっと立ち上がった。


「わっ!」

「このまま、料理できるか
やってみましょうか。」
なんて言って私たちははしゃいでいた。


そんな日々が
長く続いてくれるだけで
よかったんだ。
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