アイスクリームの美味しい食し方
「お前、
ずっと日曜休みなかっただろ?
休んでも色々あったしさ。
チカちゃんとデートでもしてこいよ。」



良は、厨房に入るなり
チケットを渡した。
って…



ちょっ…直球かあああーい!!


あー!!
良に頼んだのがバカだった!
こいつにそんな器用さあるわけない!



私は頭を抱えた。





「!
いいんですか?!
ありがとうございます!」

新の明るい声が聞こえた。


は?


へ?



さ、3秒でOKかよ!!

私はその場で白目を剥いた。



そうか!
最初から新に言えばよかったんだ。
私は厨房のドアに爪を立てた。

く、悔しい。


「あ、でも、最近お客さん多いし…」

がっ!
新までなに言ってんだ!


「大丈夫。一日くらいなんとかなるから。

君たち下っ端がいないくらい大丈夫ですよ。」

店長ナイス!!


「…。そうですね。
ちょっと気分転換して、
また毎日を頑張ります。」

新が承諾し、
ようやくガッツポーズをした。

よっしゃ!
やった!
やったよ、えみくん!


「つぐみさん?どうしたんですか?」


ばっ!!




振り向くと可愛いチカちゃんが
不思議そうに私を見ていた。




「何にもないっ!!」


私は背筋を正し、
同じ方の足と手を出して
売り場に戻った。


「あ…あぶなっ!」



チカちゃん、
2人に足らないもの
プレゼントしたからね。

心配そうに見つめるチカちゃんに
私は親指を立てたのだった。

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