アイスクリームの美味しい食し方
教室に入り、
みんなが声をかけるが
耳には入ってこない。

「新だって、たまんない。
私、ずっと新が欲しかった。
こんなかっこいい新を誰にも見られたくないし、
我慢できなくなる。」

私は、新に引っ張られるまま、
2人で、
ハートの台に抱き合うように立った。

「いやらしい女ですね。
望み通りくれてやりますよ。」

新はそう言って、
私の髪をそっとかきあげた。

「その代わり、
俺を一生好きでいろ。」

新の鼻先が私を捉えた。

「うん。大好き。」

私も鼻先を彼に合わせた。


「俺も大好きです。」

新の柔らかい唇が、
私の唇に重なった。


周りの叫び声が
静かに溶けていくようだった。


甘い甘いお菓子のような
口づけ。

私たちは、
頬ばるように、
何度も何度も、
キスを繰り返した。



甘くて冷たい王子様は、
いつの間にか、
とびっきり甘い私の恋人になったんだ。







fin
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