嘘をつく、その瞬間。
ショーが、始まって25分。

「……しぶとい、早く嫌いになれば良いのに。」

しぶとい奴は、嫌いよ。

と、眉間にシワを寄せている少女。

持ってきていたペットボトルを飲み干してしまった。

ペットボトルを、ぐしゃりと握り潰す。

「嫌いになれば、楽になるのに。」

つまらなさそうに、呟く少女。

すると、何かを思い付いたかの様に急に笑みを浮かべるのだ。

「……私が、“嫌い”になる手助けをしてあげる。」

とっても、簡単で単純なやり方。

そう言うと、少女は玩具達に向かってペットボトルを投げ捨てた。

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