愛のカタチ
「だから、あんたは……ヒック…ダメな…男…なんだよ…ヒッ…」


今度は、ワンワン声に出して泣き出した。 


木場くんも戸惑いながら、百合の肩を自分の方へ抱き寄せた。 


「バカ…バカバカバカ……太郎のバカー!!」


木場くんの胸の辺りを、百合は拳で何度も叩いた。



百合の力では、びくともしない木場くん。かえって、百合の腕が痛々しかった。


「悪い。カッコ悪いところ見せて!」


私たちは、首を横に振った。


木場くんの胸元に顔を埋めた百合の表情は、こちらからは伺い知ることはできないけれど、木場くんに身を預けているようだった。



苦笑いを浮かべた木場くんだったけど、百合に向ける眼差しは優しかった。




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