愛のカタチ


リビングへ入った途端、蒸し立てのサツマイモから湯気が立ちこめていた。


断面の切り口が黄色いくて、見るからに甘そうなサツマイモだ。


「一つ食べてもいい?」


「一つと言わず、その皿のお芋、全部食べていいわよ」


「全部?食べられるわけないじゃない!」


「あらー、お母さんなんて四つも食べちゃったわよ!甘くて美味しいわよ」


山のように盛られたサツマイモの中から、とりわけ大きいのを選んだ。


「あちちち…」


蒸し立ては、やっぱり手に持つのも熱くて、半分に割って口にした。


「いただきまーす」


口の中に広がるサツマイモの甘さ。ホクホクしていて、幸せな気分に満たされた。


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