愛のカタチ


「コラッ!何、ぼおっーと突っ立ってんだよ!」

と、いきなりデコピンされた。 


「いたっ」と、額に手を当て顔を顰めたけど、内心、嬉しかった。


一次会では、ちっとも話すチャンスがなかったし……。

でも、昔と同じように接してくれたから。


――昔から、賢司はこんな風に悪戯好きだった。


サッカーをやっているときは真剣で爽やかな少年なのに、教室ではいつもこんな感じ。


「座ろうぜ!」と肩をポンと叩かれ、慌てて入り口そばに腰を下ろした。 


「横、詰めて!」



―――…!! 



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