もう一度、恋をしよう。


奏多くんを見ているのが辛くなった私は、気がつくと全速力で走り出していた。


走ってる間も涙は止まらなくて…胸の痛みは更に増すばかり。


…本当は、こんな事を言いたいんじゃない。


「……バカなのは、私の方だっ…!」



…今更気づいたって、もう遅いじゃんか。


私は……

奏多くんの事が、好きなんだ。



足の力が抜けたように、地面に座り込む私。


周りの目も憚らず、その場で泣き叫んでいた。
< 23 / 102 >

この作品をシェア

pagetop