【完】一粒の雫がこぼれおちて。





「……はぁ……緊張した……。」



横から聞こえてきた安堵の息と言葉に。


私も和泉くんも、同じだ……と思った。



人生なんて、人それぞれ。



和泉くんが、運が良かった人ならば。


私は運が悪かった人。



生まれも育ちも全然違うけど。


そんなのものは関係ない。



よく、不幸と幸せは平等と聞く。



今までの人生が私にとって最悪なものならば、これからの人生は最高になる。


それは和泉くんも同じで。



……きっと、世の中のみんなが同じ。





〝好き〟って気持ちにはたくさんの種類があって。


どれも大切な〝好き〟だけど……。



「和泉くんが、誰よりも大好き!」



……この〝好き〟だけは、特別。





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