【完】一粒の雫がこぼれおちて。
←番外編集→





番外編①

想い出のページ



side 和泉蒼空





しずくと付き合ってからは、時がとても時間が早く感じる。


梅雨が過ぎ、夏が過ぎ……。


あっという間にやって来た秋の季節も、もうすぐ終わりを告げようとしている……。



心地好い、涼しく柔らかな風。



ソッと、当たり前のように隣で眠るしずくの頭を撫でた。



「んっ……。」



撫でただけだというのに、小さく漏れた声が何だか色っぽい。


この半年で、しずくはみんなが驚くほどに成長した。



見た目は対して変わっていない。


1度髪を切って、短くなっただけ……なのに。



なぜだか、最近はしずくがその場にいるだけで、甘い空気が漂っている感じがする……。



「……モテすぎだし。」



気持ち良さそうに眠る、しずくの額に軽くデコピンを打ち付ければ。


ほんの少しだけ顔を歪めて。



「っ、……変な顔。」



思わず、微笑みがこぼれた。





< 190 / 246 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop