光の少女Ⅲ【合成獣編】

「そうか。なら、仕方ない。もし従わないようなら、お前も始末するよう言われてるのでな」


そう言った元大臣の手には、今までよりも強い力が溜められていく。

その時、《風夜》が何かに反応して、元大臣とは違う場所に視線を向け、遅れて刹那も彼と同じ方向を見る。


「!?この力は・・・」


刹那が呟くのとほぼ同時に、空間が歪み、その中へ引きずり込むような力を感じた。


「「「うわあああ!!」」」

「きゃあああ!」

「風夜!風華ちゃん!空夜さん!」


花音にとってはまだ耐えられるくらいの弱い力だったが、四人にとっては違ったらしく引きずりこまれていく。


「っ!!」


四人を吸い込んだ後、入り口を閉じようとする空間を見て、花音は飛び込む。


「姉上!?」

「花音!?」


光輝と凍矢の驚くような声が聞こえたのを最後に入り口は閉じた。
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