翠月姫


ーーーーーー

湊夜、嶺汰、琉斗くん、戒斗くん、悠さんへ

この前は驚かせてしまってごめんね。
私は、翠月姫です。

正体を知られた以上、
私が狙われる可能性が高くなるのは
みんななら分かると思う。

私のせいで皆に迷惑がかかるなんて
そんなの嫌なの。だから離れます。

みんなとはもう、2度と会うことはない。

でも最後に言っておくね。

私は、みんなが大好きだし
みんなと過ごした時間が宝物です。

今までありがとね。
私の“家”になってくれた。

さよなら


ーーーーーー


「どうだ?これは確実に深紗の字だろ」


「あぁ…そうだな…」


「にしても馬鹿だよなぁ…女一人くらい守れるっつの」


はぁ、とため息をついて
嶺汰は“下で待ってる”と小さく呟いた


俺は何気なく読んだ便箋を裏返した
すると そこには“P.S.”と書かれた文


「…!!」


ーーー
P.S.
湊夜。大好きだよ。
ーーー


好きなら、離れんなよ…


俺は堪えきれずに立ち上がると
階段を駆け下りた


「お、きたきた」


「おまえ、ら…ありがとな」


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