君だから〜たった一人の君〜

「せやからこれはヨダレやっちゅーねん!!」


「つか、えぇ加減退いてくれへん?男に組み敷かれて喜ぶ趣味ないねんけど」


「女ならえぇんか!!」


―スパァンッ


亜倖の平手が亮の頭に炸裂した。


「った…何すんねん、事実を言って何が悪いんじゃ」


これやから男は…!!


「…笑った、」


「…は?」


亮の上から退いた遊馬が亜倖の顔を眺める。


あの頃、自分では作れなかった亜倖の笑顔を。

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