あの日失くした星空に、君を映して。


*

それから1週間。


佐山さんは相変わらず私と一緒にいる。


正直、うっとうしい。


必要以上にベタベタしてくるし、何より話がつまらない。


テレビや近くにできたカフェの話まではまだいい。


私の前でまで、誰かの悪口を言うのはやめてほしい。


もはや相談でも何でもない


佐山さんの友達“だった”3人の悪口ばかりを聞く毎日に、不快な気持ちが積み重なっていく。


今日も今日だ。


「ほんっと、嫌なやつなの!特に美和!偉そうにしちゃってさ、何様なの」


「うんうん、そうなんだね」


放課後、誰もいない教室にホッチキスの音と、だんだん口調が荒くなっていく佐山さんの声。


なぜか化学のプリントをまとめる作業を手伝わされてもう1時間。


量は多いわ、佐山さんは同じような悪口を何度も何度も繰り返すわで私はすっかり疲れきっていた。


ホッチキスの作業なんて断ろうと思えば断われたのに。


頼まれごとには弱いのだ。


断りきれない、それが私の唯一の弱点。


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