咲かない花
・・・二宮くん、すごい。
そういうこと、サラッと言いきっちゃうなんて。
でも、心身ともに体育会系のこの人なら、言ったことをやり遂げるだろうなと思わせる雰囲気を、向かいに座っている彼から感じる。
ちょっとつり上がり気味の、凛とした目線は、射抜くように真っ直ぐ私を見て・・・。

ハタと気づいた私は、ピザを食べることで、急に湧きあがった恥ずかしさを隠した。

「でもこれは俺の意見で、さっきも言ったけど、俺自身、遠恋未経験だから。新幹線で片道2時間の距離に実際離れたら、遠いって感じるかもしれない。それに、教師の仕事が休みでも、部活があって休みじゃないって日もあるから、会いたくても会えないって状況が、もっと増えるでしょうね」
「あぁそうだよねー。男子バレーだったら、練習試合とか本試合とかあるもんね」と私が言うと、二宮くんはウンと頷いて、ピザをパクッと食べた。

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