咲かない花
高校2年と3年という1学年の差は、確かに大きいかもしれない。
でも、7つか8つの年の差に比べたら・・・。
大したことないじゃない、と思う一方で、どちらも同じくらい、大きな差だとも思う。

年下の彼だったら特に。


そういうわけで、放課後、男子バレー部の帰りに合わせる理由もなくなった私は、二宮くんと会う機会がますます減った。
大体、同じ学園で同じ教師をしてるとはいえ、この4年間、一度も担当学年も一緒になったことがないから、職員室でも席離れてるし、担当している教科も違うから、会話自体、普段はあまりしなくて・・ごくたまに他の先生たちと一緒に、飲みに行ったり、晩ごはん食べに行くとき、二宮くんも一緒にいて、席が近ければ会話する、って程度で・・・。
一緒にスマホを買いに行ってくれた時は、偶然というか、タイミングが合った、本当に珍しいケースだった。
二宮くんが声をかけてくれなければ、実現しなかったことだというのは確かだ。

それに、二宮くんから電話がかかってきたのは、あれ一度きり。
きっと相性89パーセントで満足して、もうチェックもしてないんじゃないかな。
・・・あの人、意外と負けず嫌い?
なんて考えながら歩いていた時、「茉莉せんせーい!」という元気な声が聞こえた。

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