咲かない花
「あ、そうそう。その“おしゃべり”にも関係してるんですけど。今日は居酒屋な気分という意見が多かったので、“たつみや”はどうかなーと思って」
「私はどこでもいいよ」

“たつみや”だったら、帰りのアクセスもいいし。

「じゃあ満場一致で“たつみや”に決定っ!明日から3連休だし、今夜は飲むぞー!」
「帰れるくらいの意識は持っておきなさいよ」
「だいじょーぶだいじょーぶ。いざとなったら二宮センセに送ってもらうから。今夜はオオカミになってもらってもいいし。彼なら大歓迎!」
「・・・何悶えながらそんなこと言ってんのよ。オオカミはどっちよ」
「私?」

小首をかしげてカワイ子ぶりながら、平然と言う東内さんの潔さに、私は笑ってしまった。

「だって。あっちはそんな気なさげだし。私からアクション起こさないと、何にも始まらなさそーだし。二宮さん、彼女と別れて今フリーじゃないですか。これチャンスですよ!」

私にも東内さんくらいの積極的な気持ちがあれば、また新たな恋が訪れるのだろうか。
でも、今の私は、新たな恋をすることが面倒くさいと思っている。
これじゃあ完全に枯れ木だ。

そんな私に、恋の花なんて・・・咲くわけない。

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