咲かない花
「ホント、律儀なんだから」
「と言う割には、東内さん、あんまり悲しんでないね」
「うーん。私、二宮さんのこと好きというより、ファンだから」
「ファン?」
「そう。好きな俳優とかアイドルみたいな感じ。一緒に歩いてると自慢できるような」
「はぁ・・・」
「そりゃあね?エッチまでできれば最高なんだろうけど。あのガタイは絶対おいしそうだし」
「もしもしー。おたく、完全にオオカミ化してますけどー?」
「そういう年頃なんです。ところで、二宮さんの好きな人って、茉莉さんのことでしょ」

私を覗き込むように見る東内さんの顔は、至って真剣だ。
もしかして、先のオオカミ的発言は、私の警戒を緩めるための罠?
それとも・・・嘘?

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