[短編]ラブゲーム

「彩、今日はちょっと学校に行くの待っててくれるか?一緒に行かねぇ?」
「行く~~!!」

前より凌の口数が増えているのが、明らかにわかる。
昨日のことで距離がぐっと縮まった気がする。

一緒に登校する約束までしてしまったし♪

今までは、私の方が早く家を出ていた。
凌は、家の片づけをしてから、かなり遅く出ていると思う。

同じ高校に通っているだけあって、朝から凌が遅刻で怒られている声がたまに聞こえる。
ただ、凌が友達といるところや、凌の話は全く見たことも聞いたこともない。

別に、凌がいつも一人でいるとか言うわけでもなく、一度も学校内で凌を見たことがないのだ。

一応付き合い始めたのだから、これからは凌のいろいろな面を知っていけたらいいなぁ。

「凌~、何か手伝おうか?」

私の食べ終わった皿を洗っている凌に話しかけると、凌はチラッと私を見ると、手元に目を戻した。

「彩がやったら失敗しそうで怖いから、自分の部屋で時間つぶしとけ」
「はーい」
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