透明ガール

脱力したまま俯いて目をつぶっていると、



「お疲れ様〜」



上の方から声がし、顔を上げる。




目の前に立っていたのは高里夕輝だった。



…。



目覚めて一番最初にイケメン顔が視界に入るとは。



世の中も発達したもんだ。



「ん。お疲れ」



力なく手をピラピラと振って反応する。



言葉を発する程の体力が私には残っていないのだ。



高里は私の隣の席にすとん、と腰を下ろした。
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