季節外れの花

「おはよう~!茜!」

朝、靴箱に靴を入れて入れているとき

後ろから、声を掛けられた。

「あ!奈緒!おはよう~」

2年生になった私の初めてしゃべった子。

奈緒が、嬉しそうに手を振っていた。

その動作は、THE女子って感じで可愛い。

私に持ってないものを持っている。

でも、その動作を嫌とは思わない。

奈緒が大切だから。親友だから。

そう言い聞かせる。親友だよ。奈緒。

「ねぇ、今日のコミュ英の宿題やった?」

「あ、やってないや。」

「本当!?私も、やってないんだよね~」

いつも通り、変わりのない話しを

しながら階段を上る。

それだけで、楽しい気持ちになれる。

よかったよ、奈緒がいて。

1年生の時、私はあんまり友達

がいなかった。結構、人見知りするから。

話しかけようと思った時には、少しだけ

遅かった。クラスは、グループができてて

私が入り込む隙はなかった。

京介も、またクラスが離れてしまって

一人だったから。本当によかった。

「おはよう~!皆!!」

奈緒がドアを開けて、入る。

「おはよう~!奈緒、茜!」

「おはよう~」

こうやって、皆に手をふっておはようって

言えるのも、奈緒のおかげ。

「ねぇ、コミュ英の宿題皆した?」

奈緒が女子の集団に入って行く。

私も、後に続いて入る。

「いや、してないなぁ。」

「しろよっ!!」

佳奈っていうちょっとてきとーな子が素早

いツッコミをして、みんなで笑う。
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