ファインダー越しの恋
…ガチャ。静かにドアが開いた。
泣いているため、顔を上げることも出来ない。

「…何泣いてんだよ?」
頭に降って来たのは、…ヒイロの声だった。

「…泣いてません」
「…声、震えてんだよ…」

「泣いてません…気のせいです」
「じゃあ、顔あげろ」
「…」

流石にそれは出来ない。顔を上げると、泣いてるのがバレてしまう。

だから、私はそれを頑なに拒否した。

「桜子ちゃんてさ…俺の事好きだろ?」
直球で言われ、体がビクッとなる。


「じ、自意識過剰です」
咄嗟に出たのは、苦し紛れの言葉。

「…泣いてる理由、分かったから」
「…」

「…俺が、女と抱き合ってたから、…だろ?」
その言葉に、思わず顔を上げてしまった。

「…俺を好きになっても、桜子ちゃんが悲しい思いをするだけだよ」

…そう言った、ヒイロは、私の唇を塞いだ。
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