ファインダー越しの恋
「誰が、お前を180度変えたのか?凄く興味があるな」

そう言うと、微笑んで、編集長は俺を真っ直ぐに見つめた。

「…編集長の勘違いですよ」
そう言って微笑み返すと、デスクから離れた。

オフィスを出て、溜息をついた。

「…ヒイロさん?」
「⁈」
突然の桜子の登場に、心臓が跳ねた。

それとは対照的な、桜子の優しい笑み。
…その笑顔に、乱れた心が穏やかになっていく。

「…仕事、頑張れよ」
「…へ?」

俺の唐突な言葉に、桜子は首を傾げた。

…その仕草ですら、カメラに収めたくなる。

俺は、逃げるように、その場を後にした。
< 24 / 27 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop