猫の恩返し
「夜景行こうよー!夜景───っ!」


よく、飽きもせず同じことばっかり言うよな…


「トーゴが連れてってくれないなら、一人で行くもん!」


どこまで本気だか分からないことまで言い出す始末


コイツ、前にも家飛び出してコンビニのトコまで行ったんだっけ…


「分かった!連れて行ってやるから、昼間はのんびりさせて」


「───っ、ぃやったぁ───っ!」


ブルブル体を震わせ、勢いよくジャンプする

そんなナツを見てると、父親になったような…年の離れた妹が出来たような…我が儘な彼女が出来たような………

そんな気分にさせられる


「何笑ってるの?」


「あ?笑ってたか?」


「笑ってたよ。ニンマリして気持ち悪かったけど」


「お前な………」


最近のナツは、以前にも増して語彙が豊富になり、表現力も豊かになった


「お弁当作る?」


「あー?いーよ、その辺で適当に食えば。第一、車で移動するだけだから飯なんて食ってる暇なんてねーし」


「だから作るんじゃん!そしたら、車の中で食べられるでしょ?」


やり取りが、もう普通の人間同士
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