麗雪神話~炎の美青年~
「大ありよ。
あなたが求める建前だってあるわ。私はみんなを守るために来てるんだから、仲良く一緒にいてほしい、その方が私たちが楽っていうね。
でも、建前はどうでもいい。
ただ単純に、仲が悪いより、いい方がいいなって、思わないの? 子供でもわかることよ」

「何も知らない奴が、きれいごと言いやがって…」

「事情があるなら教えてくれない? 何か力になれるかも知れないわ」

セレイアは真剣にそう言ったのだが、アヴァの冷たい一瞥が返ってきた。

「誰が部外者のお前なんぞに教えるか。
いいんだよ、俺たちはこれで。他部族との交流がない分、部族同士結束が深まるし」

「自分の一族のことを想う気持ちはあるの?」

「あたりまえだろ」

その返事を聞いて、セレイアは安心したようににっこりと笑った。

「それはよかった。
だって自分の一族を想う心があるなら、他の一族だって想えるはずだもの。きっときっかけがたりないのね」

ほのぼのとした笑顔に、族長候補たちが一瞬黙る。

「……ふう。おせっかいなやつ」

「変な女」

そのあとは特に会話もなく、(セレイアが話しかけてもブレイズとディセル以外答えてくれなかった)翌日に備えてそれぞれ就寝することとなった。
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