……っぽい。
 
「おおおおケツがっ!!」「おむつ替えだから出るわよそりゃ」「あの子フルチン!!」「ありゃりゃ~、保育士さん遊ばれてるね~」等々。

個性ハンパないちびっ子たちが人生の羞恥を一気に消化している姿に唖然とする私と、“育児あるある”をサラリと解説しながら目を細め、微笑ましい表情で彼らを眺めるしほり嬢との間には、明らかに女としての差があったけれど。

託児所は子供の年齢が様々なのだ。


そんなしほり嬢の腕の中には、彼女の愛息子の拓斗くんが気持ちよさそうにおっぱいを吸っていて、そこにもまた勝手に差を感じてしまう。

羨ましいぞ、しほり。

私も子供欲しい。産みたい。

……相手はいないけれど。


ちなみに拓斗くんは生後4ヵ月。

産まれたてを見に行かせてもらったときは俗に言うおサル顔だったので、それから4ヵ月でずいぶんと人間らしい顔に育っている。


「それで、もうやったの?」


おっぱいってそんなにいいものなのかしら、と拓斗くんをじーっと見ていると、お弁当をぱくつきつつ、唐突にしほりが尋ねてきた。

片腕で拓斗くんを抱き、おっぱいを吸わせ、空いた手で器用にお弁当に箸をつけているしほりは、見ているこっちが恥ずかしい感じだ。
 
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