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第三章
「ねぇ貫七さん。あのお人、ちょいと妙じゃないか」
旅人二人連れを家に入れてから数日後。
お紺が、こそっと貫七に耳打ちした。
「妙? 妙と言やぁ、初めっから妙だったぜ。あんな、いかにもいいとこのお嬢さんが、供一人で夜に出歩くなんざ」
「そうだよね。確かに」
「だから初めに俺が渋ったろうが。あいつらを入れたのぁ、お紺ちゃんだぜ」
「だって。放っとけないじゃないか。あんな、うちの前で」
「お紺ちゃんは、お人好しだなぁ。心配だぜ」
俯くお紺に、ぐいっと顔を近づける。
お紺は慌てて仰け反った。
「もぅ、からかわないでおくれよ。あたしだって、後悔してるんだから」
「て言っても、今更叩き出すわけにゃいかねぇ」
「そうだよ。だから困ってるんだ」
しょぼん、とお紺は、また俯く。
おりんが慰めるように、お紺の膝に乗って丸まった。
「……確かになぁ」
呟き、貫七は窓辺に寄りかかって、ぼんやりと外を眺めた。
旅人二人連れを家に入れてから数日後。
お紺が、こそっと貫七に耳打ちした。
「妙? 妙と言やぁ、初めっから妙だったぜ。あんな、いかにもいいとこのお嬢さんが、供一人で夜に出歩くなんざ」
「そうだよね。確かに」
「だから初めに俺が渋ったろうが。あいつらを入れたのぁ、お紺ちゃんだぜ」
「だって。放っとけないじゃないか。あんな、うちの前で」
「お紺ちゃんは、お人好しだなぁ。心配だぜ」
俯くお紺に、ぐいっと顔を近づける。
お紺は慌てて仰け反った。
「もぅ、からかわないでおくれよ。あたしだって、後悔してるんだから」
「て言っても、今更叩き出すわけにゃいかねぇ」
「そうだよ。だから困ってるんだ」
しょぼん、とお紺は、また俯く。
おりんが慰めるように、お紺の膝に乗って丸まった。
「……確かになぁ」
呟き、貫七は窓辺に寄りかかって、ぼんやりと外を眺めた。