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「雰囲気が幼く感じるのは、まぁ支えをなくした……と思っておるせいじゃろうが。顔は、男らしゅうなったというか。これでは女子はともかく、男は靡かんな」

「あ、ほんとだ。あ! じゃあ男を虜にしてたのは、おりんちゃんのほうだったのかな? わお、楽しみ~」

 木の葉が横から貫七を見、うきうきと言う。
 そんな二人(匹)を、貫七は呆然と見た。

 相変わらず腕には黒猫がいるが、この物言いでは、おりんはもしかして……?

「ふふ。お主はわしがしくじるとでも思っておったのか?」

 貫七の顎から扇を外し、ぺし、と頭を叩く。
 そして、ちらりと後ろを見た。

 小薄の後ろには、太郎坊が立っている。
 何故か太郎坊も、心ここにあらずだ。

 師匠の思いがけないことが起こったような雰囲気に、貫七は悪いことが起こったのだと思っていたのだが……。

「貫七……」

 戸惑い気味に、太郎坊が貫七を見た後、そろりと身体をずらした。
 そこに立っているのは、小さな影。
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