わたしはみんなに殺された〜死者の呪い【前編】〜



―――キーンコーン…



突如教室に現れたその鐘の音で、私は考えるのをやめた。


誰がいじめてるとか、どうでもいい。


私たちが死ななければそれでいい。


きっと私たちが夜の学校に向かったりしなければ、死にはしない。


「あー、智哉、それ使ってくれてるんだー!」


…………………?


ここあの嬉しそうな声に、思わずそちらを振り向く。


「あぁ…まあ」

「うれしい!
ありがとう智哉!」

「ここあに貰ったものだし、使うのは当たり前だよ」


智哉の手には、見たことのあるシャープペンシル。


確か…夢の中で智哉が学校に忘れてたんだっけ?


そっか…ここあに貰ったものだったんだ。


「それ、ここあがあげたの?」

「あ、明美ちゃん!
うん、そうなの~
ほら智哉の誕生日って昨日だったでしょ?
だからね、あげたんだぁ!」


誕生日プレゼント…。


そりゃ、ここあ大好きの智哉が夜の学校にまで取りに行くわけだ。


なるほどね、納得。


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