ウィルス
「ねぇ~次は由紀の番だって、早く入れてよ~」




「あぁ、ゴメン。今、入れるね。」







由紀は慌てて、側にあるぶ厚い本を開き、リモコンに番号を入力し始めた。








歌詞が映るテレビの上に由紀が入れた歌の曲名が出る。









「あぁ!入れられたぁ!」






「えっ!マジ?ゴメン、香苗。」







香苗は少し残念そうな顔をした後、渋々他の曲を探し始めた。








「ねぇ、香苗。代わろっか?」






「いいよ、いいよ。別にそこまで歌いたい訳じゃないしさ。ちょっと~舞~ハウってるぅ~」








スピーカーから流れ出るキーンとした音が耳を突き刺す。







「ごめ~ん。ってか私のせいじゃなくない?」








いつもの他愛ないやり取りを繰り返す、在り来たりな一時を由紀は友人2人と過ごしていた。
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