偽物少女の受難な恋

30分後


やっぱり三月後半でもまだ冷えるね、こうも長時間外にいると....いや、ほんとに遅くね?


30分まって来ないってなんやねん。電話も繋がらんし


『いいや、電車でかえろ』


電車で帰ったことはまだ一度もないけど、そこらの生徒たちに着いていけば駅にもたどり着けるだろうし、そこからなら検索すればいけるはず


歩いていく決心をし、ちょうど目に入った生徒たちに着いていくことにした





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生徒たちに着いていけば駅につくだろう、残念ながら私のその考えは簡単に打ち砕かれてしまった


というのも、最初に目に入り着いていった生徒たちが入ったのはとても可愛らしいカフェで、うわーこんなお店あったんだ!と喜んだのもつかの間


その直後、私は自身の考えが間違っていたことに気づく


それからゆく生徒達みな、駅に向かうことなく何処かへ寄り道ばかりである


くそー、明日から寄り道の取り締まり強化してやる!じゃなくて!


『これ、どうすればいいんだ?私』


生徒に聞くのが一番早いのだろうが、一応にも私は生徒会の一員


そんなことをして、あの副会長は一人で駅に行くことすらできないなどと噂がたったら私は恥ずかしさで死ねる自信すらある


あー、どうすれば....


『ってそうだ!これがあるじゃない!』


その時私は今時は地図のアプリなるものがあることに気がついた


文明の利器って素晴らしい!そんなことに感動しながら私はさっそく地図アプリなるものを探した


「ねぇ君、今一人?暇だったら俺らと遊ばね?」


そのとき、聞いたこともないような声と共に後ろから誰かの手が肩に触れた


『すみません、今急いでますので...』


振り返り、愛想笑いを浮かべながらそうつげて足早にその場を去ろうとする


「え、やっべ、超可愛い!」

「俺めっちゃタイプなんだけど!」


しかし、彼らは先ほど以上なテンションになり、振り払おうとした腕は今度はしっかりと私の腕を掴んでいた


『ちょっと、本当にやめてください!』

「大丈夫だって、なんでも奢ってあげるから。ほら、行こうぜ」


そうグイッと手を引かれ、背筋に寒気が走った



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