乱華~羽をくれた君~Ⅲ【完】
ヤキモチ




7月上旬。


梅雨明けもせず、毎日曇りか雨の日が続いている。



優奈ちゃんがうちの会社でバイトを始めて3週間が過ぎようとしていた。



陸さんが前に言っていた通り、優奈ちゃんは要領が良く、仕事を覚えるのも早かった。



私が働き始めた頃はてんてこまいで、余裕なんかなくて失敗ばかりだったのに。



やっぱ頭の作りが違うと、こうも差がつくのかな。




「奈緒さん!杉田さん来たのでお茶出してきますね?あとこの書類も必要でしたよね?」



「あ、うん!お願い」




優奈ちゃんは長い綺麗な黒髪を可愛いバナナクリップでまとめていた。



若いし可愛いし気が利くし。



そんな優奈ちゃんは、取引先の人や陸さんの知り合いの人にすごく可愛がられていた。





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