偏食系男子のススメ【完】
隣の席の変食家 8




***




……はて。今更ではあるけれど。



学校祭二日目、朝からやっぱり騒がしい教室内を見渡して、机に頬杖をついた。


うちのクラスは昨日劇の発表を終え、一日いっぱい回ることができ、ほとんどのクラスメイトは既に教室に残っていない。



昨日のように川端さんが私を迎えに来ることはなかった。



……ていうかあの人、学校に来てるのだろうか。


今更気付いたけれど、昨日があんな調子だったんじゃ今日休んだ可能性もあるんじゃ……。


ちらっと見上げた時計は9時半を少し過ぎたところで、あらかじめ得ておいた情報では、確か川端さんは9時ちょうどからのシフトのはず。



……行こう行こうと思いつつ、30分もぼーっとしてしまっていた。


これ以上後回しにするのは余計に気まずくなるだけだよなあ。



……しゃあない、案ずるより産むが易しと言いますし、……頑張ろう。



重たい腰を上げて立ち上がったけれど、やっぱりらしくもない緊張が体を支配して、動きを鈍くした。どこまでカッコ悪いんだよ私。



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