オトナの恋を教えてください
ええい、ままよ!
私はダッシュして柏木さんを追い越す。

柏木さんの前に回りこみ、通せんぼするように両腕を広げた。

目立つ格好なのですぐにでもやめたい。だけど、絶好のチャンスで逃げられるわけにはいかない。


「お願いします!事情があるので、説明させてください」


事情という言葉に柏木さんが表情を変えた。

いや、もしかすると、この面倒な新入社員を追っ払うには話だけでも聞いて断るべきと思ったのかもしれない。


「わかったから」


「お話、聞いていただけますでしょうか!!」


「……あとで社内メールで連絡する」


柏木さんは私の頭を一回ぽんとたたくと、脇をすり抜けて行った。
一階に職場のある私は、彼のいなくなった後を見つめ、まずは取り付けた約束にほっとしたのだった。



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